※この記事には凄惨な写真がアップされています。
今日入れてあと3日ほど猟期は残ってますが、今日は雨だったり、明日は六ノ里の地域づくり協議会の総会だったり、そして最終日は翌日から始まる有害駆除のための罠設置だったりとその場で捕獲をするための狩猟はこの猟期は終わりかなと感じたので振り返りをしてみようと思います。
使い回しの写真も含めて思い出し。
一番嬉しかったのはこの2歳程度の猪を2頭獲れたこと。
岐阜県は前猟期までは豚熱の影響で猪を捕獲しても食べることが出来なかったし、そもそも全然いない。
今猟期は少し増えたかなという状況で、今回からは猪は自家消費のみ可能に。
脂も乗っていて肉も柔らかくて最高でした。
割と消費スピードが早く来シーズンまではもたないでしょう。
捕獲したその日に作って食べたモツ鍋は最高に美味しかった。
グループでもぼちぼち獲れたので豚熱で数が激減した中では上出来かなと。
猪は少ないけど鹿は相変わらず多い。
雪の影響で奥山にいられなくなり里付近の川原などに大量に溜まる時も。
そんなタイミングでその場所見つければ1人で簡単に多頭獲りなんてこともあり。
もちろんその後の搬出は大変ですが。
雪の中埋まってます。
こう言う時は簡単に捕獲が出来るので他の猟師もこぞって山へ。
おかげで全体での捕獲頭数は随分増えたようです。
雪があると簡単に獲れる状況もあれば、逆に環境次第で難しくもなったり。
そんなこんなで個人的な結果は昨年と変わらず。
今年は山鳥が割と獲れました。
去年が捕獲禁止だったせいか明らかに数も多く見るように。
昨年までは獣害対策としての大物猟にこだわっていましたが、今年は楽しみとしての狩猟にも時間を振りました。
毛をむしった状態。
うっすら黄色く見えるのが脂。
これがまた物凄く美味しい。
ただ今年は全体的に脂少なかったなぁ…餌不足なのか。
子供が好きなのですぐに食べられてしまいましたが。
来年は鴨も積極的に狙いたい。
これはニホンザル。
狩猟鳥獣ではないので特別な許可が出ていないと捕獲はできない。
人に姿形が近しいのか猟師によっては捕獲を躊躇ったりする。
とは言え彼らの獣害は結構壮絶。
猪や鹿となれば電柵等をちゃんと設置すれば随分防げるが、ニホンザルに関しては木々等を登り降りできる上に賢い。
その上個体数は絶賛増加中。
なので当地域では有害鳥獣に指定されていて、結果通年して捕獲ができます。
行政サイドからも積極的に捕獲をお願いしますと言われるくらい厄介者。
小さい上にすばしっこい。
鹿や猪と違い逃げ方もちょろちょろとして狙いにくい。
単独個体なのか群れなのかで動き方も若干変わる。
その癖さえ掴めばまぁまぁなんとかなると言ったとこか。
なんにしてもより高度なエイムスピードが要求されます。
去年は里近辺でよく見かけたけど今年は全然見ず。
むしろ少し山に入ったところでの遭遇が多かった。
雪が多いと餌場がまた変わるのだろうか。
そう言えば国の方でニホンザルも個体数調整に入れるかどうかの協議に入ったという話も。
今度の動向に注目したいです。
この猟期は若手猟師が増えた年でした。
猟友会の会員も高齢となり年々数が減っている状況。
今年は自分の知り合いだけでも4、5人新規で入りました。
その増加率に行政の担当者も驚いていましたが丁寧に対応していただきありがたい限り。
これからどう狩猟と関わるかは本人達次第だけど、新しいメンバーでこの業界を良い方向へ変えていけたら幸いです。
さて、獣害対策、里山保全という観点からも少しは未来に希望が出てきた今日この頃。
頑張って先に繋げねば。
ちなみに今年、自身のスキルとして一番変化を感じたのは発見力という点でした。
3年間と1猟期、ほぼ毎日山の中に入ることで、最初は分からなかった違和感を感じ取るようにも。
それは自然界の中での獣でさえも違和感として強く感じるようになったということ。
これはかなり大きかったのではないかと思う。
最後にはゾーンとも言える妙な感覚も体験した。
異常な気付き、異常な命中、短時間でその数珠連。
あの時の自分は何一つ逃す気はしなかったし当たり前の感覚だった。
まぁただのラッキーかもしれませんが。
最後は告知。
この猟期中で何気に一番大変だったやつ。
今までは捕獲技術を磨くことに集中してきましたが、今年は如何に人に伝えるかも同時進行していました。
ほぼ毎日1日中山を歩き続け、獣を獲ることもそうだけど写真や動画を撮ることも同時進行。
狩猟をどう伝えるのか。
常に葛藤しながら自己の精神と向き合った猟期でした。
言葉の表現力も映像での表現力も未熟なので自身では恥ずかしい内容となってますが…とはいえこれも1つの集大成。
何か感じてもらえれば幸いです。
現在は越前屋の方で写真等の展示会を実施しています。
それと合わせて3/14(日)には動画の公開もあります。
安田大介と松川哲也。
IターンとUターン。
自然が好きで入り込んだ狩猟、有害駆除から入り込んだ狩猟。
狩猟に対する関わり方の違う2人。
それぞれの生き方と、そこに関わる想い。
そして共通点。
伝わるものがあることを願っています。
可能であれば展示会と合わせて見ていただければ、より深い領域に踏み込めると思います。
「展示会」
郡上藩江戸蔵屋敷展 2020-2021NATIVE MIND
-町・里・山をめぐる精神文化の伝承-
会場 郡上八幡町屋敷 越前屋
会期 2021年2月27日(土)〜3月21日(日)*木曜休館
開館時間 9:00〜17:00
主催 郡上市市長公室政策推進課
「動画配信」
山から生まれる精神文化とは? -猟師という生き方から紐解く-
日時 2021年3月14日(日) 19:00〜
配信URL https://www.youtube.com/watch?v=TFXsbhVeRl0
※参考
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