Hunting

闇も書き捨て

多々思うところあり。

というか愚痴。

前回の記事でサラッと書いた部分の掘り下げ。

私が関わる業界は面倒が多いところ。

このことを一般の方はあまり知らないのではないかと思い、叩かれ覚悟で書いてみようと思います。

狩猟業界の闇。

自分のいる猟友会の支部編。

まず狩猟をするものが任意で所属する団体「猟友会」がある。

所属するには会費等必要なんだけど、メリットとしては猟友会が冬の狩猟登録の代行や、免許の更新のお知らせ等してくれます。

更には良い猟友会であれば新人の教育や、狩猟グループなどの紹介もあり、円滑に楽しい狩猟ライフをおくれます。

猟友会所属が有害駆除実施隊員の条件って場合もあります。(各所属で確認してみてください)

良い猟友会で無ければ、ただ単にそれらが無いと言うこと。

メリットデメリットはそこの猟友会次第で、結局は所属する人間の人柄次第。

ちなみに我が猟友会は一部感情論の激しい方がいるため面倒な事が多々あります。

多分どこにもいるのでしょうが、法律や人としての倫理感より自分の感情を優先するタイプが一部います。

そういうタイプが多いところは本当に大変だろうなと思うところであります。

昔は猟師が狩猟できるのは冬の猟期のみ。

楽しみで狩猟をしていた時代でした。

現在は状況が変わり、獣害が多い地域は条件付きで猟期以外の有害駆除という狩猟行為が認められています。

現在郡上市は獣害が多いため、猟期と有害駆除を合わせれば通年して狩猟行為ができる状況です。

猟期は楽しみ、有害駆除は地域の獣害を防ぐため。

本来はこれが目的です。

という事を考えると、有害駆除の許可を受けた隊員は獣害のある地域を守るために活動する必要があるはずです。

なのに…未だ狩猟と有害駆除の違いを理解できず、そこの獲物は俺の獲物って考えの猟師が一部います。

そして、その一部の猟師のせいで該当エリアの住民が獣害の苦労をしているのです。

ハッキリ言います。

猟師が真剣に獣害対策すれば獣害は減ります。

猟師としての年数の浅い自分ですが、依頼された場所はきっちりやり切ってきました。

田畑に直接入る獣の捕獲、付近の山中の獣の追い払い。

継続して猟圧をかける。

毎日ちゃんと継続する事でかなり改善可能です。

今獣害で苦しんでいる地域の方、更には地元に猟師がいるのに苦労している方。

獣害って減らせないのかな?って諦めていませんか?

違います。

そこの猟師の問題です。

猟師数が極端に少なくて対応が厳しかったり、その状況が続いて獣が増え過ぎてどうにもならないというパターンもありますが。

だけどそうなってしまっては遅いのです。

もちろん田畑に電柵をしっかり設置する等の自前の防御の対策も必要です。

とは言え猟師も別の本業を持って仕事している人がほとんどで、全力での対応は難しい。

というかそれが普通。

積極的に追い払いを出来ない理由もあります。

自分のような本気猟師はレア中のレア。

なので地元にしっかり対応できる猟師がいないという事もざら…

その場合に真剣にやる他の猟師が受け入れれる状態かどうか。

そこが肝心なんです。

獣害防ぐ気もなく、そこを自分の縄張りと主張し、自己の利益だけを優先し、その地域の住民を獣害で苦しめる。

そういう方がいます。

大体古株の方なので猟師の先輩からは「辞めるまでのあと数年我慢しや」なんて言われますが、その数年の地域住民の苦労は計り知れないでしょう。

猟師の大体が60歳を超え、狩猟業界が終わってしまいそうな人口比率。

狩猟や有害駆除だけでなく「認定事業」や「個体数調整」といった新しい制度も出てきました。

楽しみで狩猟をする人はそれで良し!

鳥獣管理を仕事としてする人もそれで良し!

猟師といえど色々なスタンスで狩猟に関われるようになってきました。

それぞれの立場でそれぞれの目標で活動出来るんです。

私は獣害から地域を守り、住みやすい里山を維持するために猟師になりました。

だからこそこの現状が歯痒すぎます。

なんとかならないのでしょうか。

昔から言う言葉。

「猟師の敵は猟師」

常に感じています。

そしてここ最近よくあること…

住民「獣害ひどいからなんとかして!」

自分「あ、そこは○○さんがいるからその人にまずお願いして…」

住民「あいつは全然獲って(防いで)くれないからお前頼むよ!」

自分「…(困った)」

余力あるのにな。

これからやる気のある新人増えそうなのにな。

嫌気さして辞める人いないか心配です。

こう言う視点からの後継者不足も不安の種です。

ちなみに郡上市の猟友会には町村単位で支部があります。

現状は有害駆除の許可が出るのは所属する猟友会の支部の町村単位のみ。

その縛りを解除して郡上市全体での有害駆除の許可が出るだけでも獣害に関しては状況は変わると思います。

現状は捕獲者が多い町村と少ない町村の差があり、捕獲者が少ない町村では獣害で随分苦労する地域もあります。

別に遠方でも困っているなら全然出動するんですけどね。

じゃあ何故解除されないかと言えば、まさに旧体制の縄張り意識が原因かと。

現状唯一の捕獲行為が出来る猟師が所属する猟友会。

その猟友会が現状の問題解決に積極的では無いとするならば、やはり別のアプローチで解決するしかないのかもしれない。

趣味の狩猟と仕事としての鳥獣管理。

分けれないかなぁ。

そしたらそしたでまた旧体制ともめるんでしょうね。

根っこを張り巡らした、根深い課題です。

本日引き揚げた「くくりわな」の山。

先日獣害被害が多い自治会から行政へ要望、そして自分へと対応求められた案件。

縄張り意識の強い方より異常なクレームが入ったため撤収となりました。

行政の担当の方が経緯と必要性を丁寧に説明してくれたそうですが、聞く耳持たず。

呆れてモノも言えませんが…

とりあえず私のいた1ヶ月強は捕獲に追い払いと真摯に頑張ったつもりです。

毎日あった獣害はその間ゼロでした。

少しの間は大丈夫かと思いますが…今後も被害が出ないことを祈ります。

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