六ノ里の名物と言っても良い嘉喜踊り(かきおどり)。
最後に唄い舞われたのは二十数年前。
どこよりも良い唄で、どこよりも大きな竹刀を背負い振るう自慢の伝統。
地域のお祭りで披露されるこの舞踊も、ここまで実施されないと継承されるわけもなく。
このままでは寂しいと地域の有志で集まっての継承会第1回目。
集まった中にはそもそも祭りを見たこともないという人もチラホラ。
お祭りごともそろそろ実施しないと完全に内容が失われる状況が見えてきた。
このところで風流踊りがユネスコの無形文化財遺産に認定された。
とても素晴らしい事だけど、コメントを発したとある関係者の言葉が心に刺さる。
「喜ばしいことではあるが、この少子高齢化の中どうこれを維持していくのか…」
文化が認められて記録されることは良いことだが、結局のところは現場で誰がどうやってこれを維持していくのか。
素晴らしい、だけでは片付けられない問題。
誇りとしんどさが両立する部分は正直大きいと思う。
六ノ里の場合は継続までもいかず、まずはどう再開するのか。
時代も変わり誇りはただの埃に。
地域愛、いつから皆の心から抜けてしまったのだろう。
本質から外れ、捻じ曲がってしまった合理主義。
高度成長期、貨幣社会、あの時代の深い傷跡は今まさにその部分に重くのしかかっているのではないだろうか。
一旦時代の洗脳から心を解き放ち、各個が自分らしく生きられるようになったら良いのにな。
六ノ里はそんな土地になれるよう行動していきたい。
どれだけ地味でも。
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