Hunting

雪猟はじまる

降雪第2波。

前回より積雪は増え、ついに林道も登りきれなくなった。

まだ気温が高いせいか、雪が湿って重い。

可能な限りは車で雪を押し切って道を開くのだけど、今回ばかりは押し切れない…

スタックしてはバックして、そして加速しては雪を押し出す。

でも限界。

ここからは自分の足で猟果を稼ぐ時。

自分のエリアでは深くて膝くらいかな。

まだまだ少ないけど、とりあえず雪が降れば忍び猟の時。

ふわふわの雪のうちは足音は消せるし、獣の足跡は丸分かり。

獣の足跡を見つければ追跡、ひたすらに追跡。

まずは単独の忍び猟で鹿。

大きなオス。

歩くこと1時間で餌を食べているところ見つけて捕獲。

歩く音がほとんど出ないことの楽なこと。

獣の足跡がハッキリわかることの楽なこと。

雪があるおかげで獣もスルスルと滑るわけで。

だから実は搬出は楽な方。

楽と言っても、単独猟だから長時間引きずることはザラなんだけど。

剥き出しの土の地面より引き出すのは相当楽。

続いての捕獲はメスの猪。

当初の目的では足跡追いかけて鹿でも獲ろうと思っていたのだけど…

新品の、今通ったばかりであろう猪の足跡見つけてしまっては仕方がない。

ひたすらに追いかけて3時間ほど。

もう諦めようと思った先にチラッと見える猪の姿。

気合いを入れ直しひたすらに追跡。

フラフラで追いかけ、またチラッと見える。

もうこれがラストチャンスと発砲。

叫んで走り出す猪2頭。

外したか?と思ったけど、一応は現場確認。

血が垂れてる。

先を見るとチラチラと猪の姿が。

もうこうなったら根性戦。

追撃に追撃。

決着は山頂を超えた先。

どうにか猪をひっくり返した時、初めて雄叫び上げて大の字に倒れた。

過去、ガッツポーズはよくはあったけど、山で雄叫び上げたの初めて。

野生の獣に体力勝負で追い付いた。

捕獲の喜びと興奮が全快になった時。

山奥まで追いかけたから、その後の搬出も相当しんどかったけど。

単独ならではの苦労もあるけど、自分一人の力で捕獲をした達成感。

根性勝ち。

しんどいけど喜びも大きい。

こんな苦労をして得られる野生の肉だからこそ、最後まで美味しい状態でいただきたい。

食べることを考えた捕獲、搬出にそして処理。

そういう苦労のもとに「美味しい」は生み出されている。

こんな馬鹿げた苦労をあえてやってしまうのは、もうアドレナリンでしかないのだろうと思う、

アドレナリン中毒。

興奮の上書きでしか感じれない世界。

狩猟の世界の沼はそこにあるんだろうな。

こんなに大変なのに、皆高齢になっても辞めない理由はそこにあると思う。

今年の猟期も始まったばかり。

これからどんな物語があるのか。

捕獲を楽しみ、食も楽しみ。

獣害も食べて対応する。

これが今の時代にあった健全な狩猟の形かな。

もっと捕獲技術を磨きたい。

まだまだ、まだまだ足りない。

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