近年は鹿が非常に増殖しており、里山での獣害や山林での生態系等環境のバランスの崩壊を進めている。
なんていうのが定説で、その原因は「猟師の減少」「温暖化」「オオカミ絶滅」などが関与しているというのも定説。
だけども面白い資料を発見。
2015年の紀伊半島研究会シンポジウムにて北方生物圏フィールド科学センターの揚妻直樹氏の資料より。
この問題では1970年以降のデータで比較されることが多い昨今。
それ以前を探った明治初頭との比較。
資料ではその昔も今と同じようにたくさんの鹿が生息していたそう。
オオカミがまだ生息していたにも関わらず。
つまり捕食圧に鹿の増減が関係が無いとするならば、狩猟者の減少もあまり関係ないのではないかという考察も出来る。
実際狩猟ブームで猟師が多かった1970年頃、さぞや鹿を捕獲していたのかと思えば大して捕獲していないわけで。
そこに新たな鹿の減少の可能性として出てくるのが1940年頃からの大規模な森林伐採。
一部地域では森林面積の4分の3が伐採されたよう。
つまりは山間地の中大型動物が住みにくい環境が仕上がってしまい、その後の1970年付近は鹿を含む中大型の獣が激減したと想定されています。
鹿は増えたのではなくて減っていたという事。
それが戻っただけという事。
ただ、この資料でも説明してありますが、昔の里山と今の里山は大違い。
山へ入り木々を生活必需品として使用していた昔。
里山周辺は獣が住み着くには厳しい環境だったようで。
だから獣害もなかったのかもしれません。
ただ当時の鹿が自然環境に及ぼす影響は分からないですね。
と言うか、人がそれだけ木々を使用していた事を思うと、、、人の活動の方が影響は大きかったかもしれません。
とは言え現代の獣の数の増加(戻り)は里に住むものには困りごとであるには違いありません。
そして有害捕獲を頑張っている猟師の超高齢化も問題です。
グラフを見れば分かりますが、このままだと近いうちに猟師の数は半数以下に減りそうです。
そんな状況で自分の周囲の思いある若者が少しずつ狩猟業界に入り始めています。
頼もしい限り。
でも正直な話この超高齢業界、当然業界の考え方も極々一部を除いて超高齢。
思いある若者が頑張りにくい環境である事もまた大きな課題であると実感しています。
最近は狩猟(趣味)と鳥獣管理(事業)は母体を引き離して取り組むべきだと言う意見もよく耳にします。
猟友会はそもそも趣味の狩猟の団体。
確かに別枠が良いのかもしれません。
最近は認定事業と呼ばれる鳥獣管理の公共事業を、認可を受けた業者が入札できるような仕組みが出来ています。
ただ現状はその事業者と現地猟友会との溝は深く、中々円滑には進んでない模様。
なにぶん昔からの猟師には縄張りを強く主張する方も多くいるもので…
あと数年の我慢だから…なんて言葉良く言われますが、その数年で大変なことになってしまわなければ良いのですが。
色々課題だらけですが、どこまで改善できるのかが大事なところ。
先を見据えた活動をしていきたいです。
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