今年の拝殿踊りは、踊る前から何か違っていた。
唄の唄い手だった祖父の話を聞き、祖父が残した唄の扇子も譲り受け。
縁日では、祖父の弟の日の丸の寄せ書きにも偶然出会い。
自分が知らなかった六ノ里の時間に、今年は何度も触れた気がする。
祖父の唄にあった「時勢と勝地と人の和」。
時代と、土地と、そこにいる人が形成する和。
その言葉に導かれるかのように三社の拝殿踊りが始まり。
振り返ってみれば「古き良き時代」というのは、昔だけのことでもないのかもしれないとも感じる。

六ノ里三社拝殿踊りと銘打って始めてもう9年ほど。
いつもは三社が終われば魂抜けて崩れるのに、今年は何故か変な感じ。
ふわつく様な、ぼんやりするような。
終わったのに終わってないというか、暮らしと宴が同列になってしまったというか、なんというか。

しばらくの間、唄の練習で通い続けた拝殿も、結局拝殿踊りが終わっても通いが止まず。
その場のあまりの心地良さに慣れてしまったせいで、終わってからも度重なり通う。



今年も色々なドラマがあった。
他の踊りと違って自由性があるからこその、思想の当たり合い。
熱量のぶつかり合い。
今年は各地の踊りに行けるだけ行ってみて、色々自分の心と体で見聞して、そして思考を巡らせて。
その結果を三社の最終日、位山秋葉神社の拝殿踊りに詰めてみた。

表現したいことはいっぱいあるはずなんだけど、今回みたいに言葉にならない事もそうは無い。
結局のところは参加者の皆様の個々の思いでしかない。
ただ今年の六ノ里の踊りはだいぶ個性が出てきたんじゃないかな。
勝手ながらに好き勝手やったせいもあってか、楽しかった。
ただ楽しかった。
皆さん本当にありがとうございました。
少しでも多くの方に六ノ里の地での宴の記憶が残りますように。
TOP Photo: kikuchihayaka / Edit: Tetsuya Matsukawa




















